2013年3月15日金曜日

ソウル大学GSIS~授業紹介

今学期は韓国語の語学以外に3つの授業を履修します。1コマは3時間です。

留学する前に決めた専攻は、International Commerceだったのですが、どんな授業でも取れる、単位要件のない交換留学生としての立場を生かして、結局東アジアへの理解を深める2つの授業と、東大時代から履修している交渉の授業を取りました。


1.Understanding East Asia

東アジアの国際関係に関する基本的な授業。正規生はほぼ必修のようなもののようです。
講義形式は課題文に関する小テスト、講義、期末にグループでプレゼンテーション。

今週課題として授業前までに読んだ課題文は以下。
1. Ruth Benedict, "The Chrysanthemum and the Sword: Patterns of Japanese Culture", (Boston: Houghton Mifflin Company, 1989), Chapters 1-3.
2. Richard Samuels, "The Myth of the Independent Intellectual," in Samuels and Weiner, ed. The Political Culture of Foreign Area Studies. Washington, D.C.: Brassey's, 1992, pp. 17-56.
3. Cheol Hee Park, "Who's Who and Whereabouts of Japanese Political Studies in South Korea", Japanese Journal of Political Science (September 2010), pp. 307-331.

初回の授業は、地域論という学問がどういう系譜で来ているものか、ということでした。



2.Understanding International Relations in East Asia

東アジアの国際関係に関して、文献を読んでディスカッション。

課される課題文の量が多く、読まずに参加するのは難しく、きつい授業として有名らしいです。
10~12ページの期末レポート。

今週の課題文は以下。
1. Davide Fiammenghe, “The Security Curve and the Structure of International Politics”, International Security 35:4 (Spring 2011), pp. 126-154.
2. Amitav Acharya, “Theoretical Perspectives on International Relations in Asia,”
3. David Kang, “Hierarchy, Balancing and Empirical Puzzles in Asian International Relations,” International Security 28:3 (Winter 2003)
4. Kishore Mahbubani, The New Asian Hemisphere: The Irresistible Shift of Global Power to East Asia (New York: Public Affairs, 2008), Introduction, Chapter 1,6.

上記の文献を踏まえて、ディスカッションのトピックは
1.アジアの特異点は何か
2.アジアにおける安定的ヒエラルキー構造は再びできるのか
3.文献1のセキュリティーカーブの理論は中国に適用できるか
ということでした。

【授業履修の理由】
元々、公共政策分野だけでなくビジネス分野にも興味がある自分は交換留学先でビジネスを学ぶ機会があるというのが魅力的に感じていましたが、実際に北京に行った後ではむしろ国際関係や政治、経済に関するディスカッション、とりわけ東アジアという物議を醸す場でのディスカッションに面白みを感じるようになったので、2つの東アジアに関する授業を取りました。後者に関しては、ディスカッション形式の場でディスカッションの力を高めたいというのも理由です。


3.International Negotiation Simulation Game

International Trade分野の交渉を、ケースから生徒間の実践を中心に。
先生がかっこいいことで有名らしいです。確かにかっこいい。

今週は卵の販売者と、4つの買付人による交渉シミュレーションを行いました。


【授業履修の理由】
東大では一昨年に交渉と合意形成論を学び、昨年は同じクラスでTAを務めたのですが、それでもなおソウルで交渉の授業を取ったのには2つの理由があります。

1つめに、東大では日本語で学び、日本語で交渉シミュレーションをやるものであったために英語で交渉をやる、という点で興味がありました。日本語で学んだことを言語が変わる中で発揮できるか、言語としての特徴の違いもありますし、自分の言語能力も含めてどれだけやれるかということです。
2つめに、先生のバックグラウンドによる違いです。東大の松浦先生は都市計画論が元々のご専門なのに対し(http://www.mmatsuura.com/courses/2012/negcon.html)、ソウル大学のAhn先生は国際貿易のご専門です(http://gsis.snu.ac.kr/sub4/sub4_1/1238590_15751.htmlhttp://www.voxeu.org/person/dukgeun-ahn)。東大では公共政策のための合意形成論も学んだのですが、ソウル大学ではどんな交渉の側面が見えるか楽しみにしています。

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